テイヤム/Theyyamとはケララ州北部に伝わる儀礼形式のことであり、現地語のマラヤーラム語で『神』の意である。地域の厄災を取り除き、繁栄をもたらすと信じられており、毎年11月から5月にかけて多くの寺院で行われる。

私がはじめて生きている神、テイヤム/Theyyamを見たのは2014年の11月のことだった。そして今回の2017年3月。再びカヌール/Kannurへ向かった。
南インドのケララ州。州のかたちは南北に細長く約600kmにわたり、西はアラビア海に、東は西ガーツ山脈に面している。
年中通して高温多湿の気候により、香辛料などのプランテーションが盛んであるこの土地は、ヤシの木が揺れ、山脈から大きな川が横切る。流れているゆったりとした雰囲気がインド人旅行者にも人気の、水と緑が豊かな美しい場所だ。

無数の言語、文化、宗教や伝統が複雑に入り混じり、インドというこの国を成り立たせているのだが、ケララ州の中でも、マラバール地方の北部/North Malabarにある「テイヤム」はその一つの縮図である。千年以上前からの流れを汲む儀礼、又は伝統芸術としても、ある意味では偶然に奇跡のように残って再生しており、この現代に私たちが見られるものとして一見の価値がある。

400種類以上とも言われるテイヤムは、テイヤム神話に沿って、主にそれぞれの村の寺院で舞台芸能のように演じられる。能・歌舞伎などの日本の伝統芸能にもイメージが近いが、村民が集まり時には夜を徹して行われるという点で、神楽のような雰囲気があるように思う。

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装飾を施した後、神殿前で祈祷するテイヤム

祭礼は、狩猟の儀礼や豊穣の祈り。豊かな森からの恵みに感謝し、自然への畏敬を表す。
神は、神霊の役割である人に宿る。テイヤムとなる人は、テイヤッカーラン/Teyyakkaranと呼ばれる。彼らは代々家系のなかでそのパフォーマンスを学び、土地にいきる神話を伝える。

神話の軸となっているストーリーは、主に土地に伝わる話。土着とヒンドゥーの神々のストーリーの融合であるものも多い。

ど派手な衣装とメイクアップ、神は一度見たら、忘れられない風貌である。その担い手は気高く振る舞い、女子供にも人気がある。ユニークで面白いと思ったのは、オープンシアターとして行われており、人がテイヤムとなる過程を見られること。神とのコミュニケーションの場があり、参拝する人々は祝福と神託を直接に受け取ること。

Guide

・ヒンドゥー寺院での儀式となるので、見学の際には寺院内では靴を脱ぐ事を忘れないように。
1.
Kottiyoor Nanmadam Temple
Near Pariyaram Panchayathu bus stop

Theyyam
1. Gulikan
2. Raktha Chamundi
3. Vishnumoorthy
4. Kurathiyamma
5. Pulloor Kaali /Pullikkarinkaali
6. Kundoor Chamundi
昼間に行われた儀礼では、様々な種類のテイヤムが競演。多くの人が祝福を受けようとテイヤムの前にできた列に並び、最後まで賑わっていた。
Nov, 2014

2.
Parassinikadavu Muthappan Temple
Muthappan Theyyam
ムタパン/Muthappanの総本山、ヒンドゥーの寺でのテイヤム。
起源をさかのぼるとMuthappanはヒンドゥー化する以前は山岳部の英雄神として祀られていたとのこと。この寺院だけは一年を通してkkを行っている。寺院内の撮影は禁止。
Mar, 2017

カラリパヤットの動きで宙に舞う英雄神話のテイヤム 次ページへ

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